新型コロナウイルス感染症拡大を機に、様々な業界で今までの常識やコミュニケーションの取り方が見直され、ニューノーマル時代の対応が求められるようになっています。例えば2020年夏に花火大会の中止を受け、新聞広告の紙面をスマートフォンのカメラで読み取ると、紙面と連動してAR花火が打ち上がる風景を体験できることから「新しい花火の楽しみ方だ」とSNSやメディアで話題を集めました。今後、クリスマスや年末年始などのホリデーシーズンのイベントやキャンペーンについても、今までにない新しい施策や企画への期待・ニーズが高まるとしてAR企画が注目され始めています。
ARはリアルとデジタルを組み合わせる技術で、「もしも現実世界にあったら…」をデジタルで補完して実現します。その活用方法は映像や音を見て楽しむエンターテインメントから、スタンプラリーや動画配信などの実用的なものまで様々です。
ここでは、ニューノーマル時代に対応したインドア・アウトドアそれぞれのホリデーシーズン企画として
・おうちで楽しめるAR企画
・ARを活用した非接触型のリアルイベント
を事例を交えてご紹介します。
ホームパーティー市場は年々規模が拡大している市場ですが、2020年はおうち時間への需要の高まりから、更なる拡大が見込まれます。そのためクリスマスパーティーや年末年始などウインターシーズンのイベントに関しても自宅で楽しめる企画のニーズが大きくなってきています。
クリスマスプレゼントやクリスマスケーキ、おせち、クリスマス飾り・正月飾り、メッセージカードなどの商品や宣伝にARを活用すれば、商品+αの体験を提供できるので、他の商品との差別化はもちろん、新しい楽しみ方の提供により、顧客体験価値を高めることができます。
例えば
・プレゼントキャンペーンとして、ケーキやスイーツのパッケージにARフォトフレームや季節を感じられるスペシャルARムービーを設定し、食べるときにおうちで楽しめるように。
・スマートフォンでイラストをスキャンするとサンタクロースや干支が飛び出してくる特別なメッセージカード・年賀状に。
▲株式会社ローソンが販売する「UchiCafe」シリーズのクリスマスケーキでは、箱に印刷されたロゴマークを専用のARアプリのカメラでスキャンすると、箱の中にサンタクロースが住んでいるような演出が楽しめるAR企画が行われました。リアルとデジタルを組み合わせるARの特徴を活かした演出です。
おいしいケーキだけでなく、それを食べる時間、おうちでのクリスマスパーティーをより楽しくする演出により顧客体験価値を向上させる施策となっています。
▲大手家電量販店「エディオン」のクリスマスイベント「エディオンのクリスマス限定ARを楽しもう」企画ではARグリーティングカードが配布されました。年々拡大するギフト市場で他社とのサービスの差別化を図る施策です。
グリーティングカードのイラストがARマーカーとなっており、AR動画でクリスマスのアニメーションが楽しめます。動画は透過動画になっているのでフォトフレームとしてクリスマスらしい写真を撮影ができる特別なARグリーディングカードとなっていました。
▲株式会社モンテールが展開する洋菓子と和菓子が融合した「わスイーツ」では、年末年始企画としてARおみくじ付パッケージの商品が展開されました。パッケージ表面に貼られた「幸せみくじ」と書かれたシールをめくり、読込面を専用ARアプリで読み込むと、スマートフォン上に角柱のおみくじ箱が出現して、おみくじが引けるというAR企画です。カラカラと音を立ておみくじ棒が出てくるなど、まるで神社でおみくじを引いているかのような気分が自宅でも楽しめる演出となっています。 自宅で過ごすことの多い年末年始、お正月の家族団らんの場でコミュニケーションの輪が広がるようにと顧客体験価値向上施策として実施された企画です。
▲山梨日日新聞社は、2020年12月31日付の山梨日日新聞でARを楽しめる「希望の書き初め AR初日の出」というお正月企画を実施しました。富士山の写真が印刷された誌面にARが設定されており、紙面に書初めした後、専用のARアプリで誌面を読み込むと、書き初めと富士山をバックに初日の出が昇る様子をAR動画として鑑賞できます。書き初めとAR初日の出を撮影した画像・動画のコンテストが同時開催されたこともあり、多くの反響を呼んだ企画となりました。
このAR企画は人々に明るい新年を迎えてもらいたいという想いからを実施された企画です。外出自粛が呼びかけられるコロナ禍に、お正月の風物詩を絡めておうちでも季節感を感じられるような企画で顧客体験価値の向上を成功させました。
人の集まるイベントに関しては感染リスクと経済活動の両面を考慮するあり方が求められ、どのように対応していくべきか悩まれている方も多いのではないでしょうか。そうした状況の中、ニューノーマル時代に対応したイベント施策の1つとして、ARが注目を集めています。
・ARでリアルとデジタルを組み合わせた新しい演出
・非接触型を実現するARフォトスポット
・非接触型を実現するARスタンプラリー・AR宝探し
をご紹介します。
ホリデーシーズン、街がイルミネーションやクリスマス、正月などの装飾で彩られます。2020年の傾向としては、特定の時間に演出が始まり一度に多くの人が鑑賞する派手な演出よりも、1人や家族、友人、恋人などの少人数のグループで楽しめる演出が好まれる傾向が予想されます。そのため、ユーザーがスマートフォンを使って好きなタイミングで楽しむことができるAR技術を取り入れた演出に注目が集まっています。
ARを活用すればリアルとデジタルを組み合わせた表現で、没入感の高い新しい体験価値を提供することができます。
・装飾された屋内の空間にクリスマスソングのBGMとともに雪を降らせる演出
・何もない床に巨大なツリーや門松など季節の飾りを3Dで出現させる演出
など、現実では実現の難しいことも、映像や音声をを重ね合わせることで簡単に全く新しい世界観を作り出すことができます。商業施設や商店街、レジャー施設などの観光スポットなどで、ニューノーマル時代の新しいプロモーションとして、ARを活用した演出方法を取り入れることができます。
▲商業施設「GINZA SIX」で行われたクリスマスプロモーション「GINZA SIX CHRISTMAS 2018 “Fantastic Gift” ~「冬の王国」と「夏の王国」の物語~」ではARによる演出が行われていました。正面エントランスや館内アート、POPなど館内各ポイントでARアプリ「COCOAR2」をかざすと、物語のキャラクターが動きだし、より物語の世界観に浸れる演出を楽しめるという企画です。
ARフォトスポットがニューノーマル時代の対応策として注目を集めています。顔出しパネルなどの撮影用オブジェをデジタル上に表示できるので、不特定多数のユーザーが触れる心配がない非接触型のフォトスポットです。また、ユーザーの好きな場所・タイミングで撮影できるので会場混雑緩和につながります。しかも、ARならフォトスポット制作・設営にかかるコストを削減できるので、低予算でもユーザー満足度の高い施策が可能です。
また、天候等の事情でイベントが実施できなくなった場合でも、ARマーカーをSNSやWebサイトで配信しておうちでイベント気分を味わってもらう施策に変更するなど、フレキシブルな対応ができる点もメリットです。
例えば
・顔出しパネル風フォトフレームを配信
・キャラクターと一緒に写真が撮れるグリーディング風のフォトフレームを配信
・設営する予定だったフォトスポットを3DCGでまるでそこにあるように再現
など、動物園や遊園地などのレジャー施設、観光地などのリアルイベントのフォトスポット企画にご活用いただけます。
▲和歌山県にある動物園、水族館、遊園地が一体になったテーマパーク「アドベンチャーワールド」のホリデーシーズンイベントにて、園内どこでもフォトスポットにすることで、イベントでの写真撮影をより楽しんでもらおうとARフォトスポット企画が開催されました。園内に設置されたイラストをCOCOAR2アプリで読み込むと、パンダのキャラクターと一緒に写真が撮れるARフォトフレーム、雪の結晶が降り注ぐARフォトフレームなどが出現する仕組みです。開始1週間で数千アクセスがあり、大好評の企画となったそうです。
イベントについて株式会社アワーズ様にインタビューを行いました。詳細はこちら
▲ベネッセコーポレーションの幼児向け通信教育教材「こどもちゃれんじ」で人気の「しまじろう」が 活躍するしまじろうコンサート2017冬公演『おもちゃのくにのクリスマス』にて、ARフォトスポット企画が開催されました。前年までは設営型のフォトスポットを用意していましたが、会場に行列ができてしまうため、混雑緩和のためにARフォトスポットを導入したそうです。コンサート来場者全員がもらえる参加型アイテムにARが設定されており、COCOAR2アプリをかざすと、しまじろうたち人気キャラクターのオリジナルフォトフレームが表示される仕組みです。ご家族でコンサートを楽しんだ思い出作りの新しい方法として、来場者からも好評の企画でした。
イベントについてベネッセコーポレーション様にインタビューを行いました。詳細はこちら
ARスタンプラリーもスタンプと台紙不要で行える非接触型イベントと注目を集めています。季節のイベントと合わせて周遊施策として企画されることの多いスタンプラリーや宝探しもARを活用すれば安全で楽しいイベントとして開催可能です。
ARマーカーを専用のアプリで読み取ると、ブラウザ上にスタンプが貯まる仕組みです。スタンプが貯まったら、景品引換券やクーポンを表示させたり、フォトフレームやスペシャルムービーなどのデジタルコンテンツを景品としてプレゼントすることができます。GPSと連動させ、特定の場所でしかスタンプを貯まらないように設定できるので、現地でしか体験できないイベントも可能です。
▲大阪国際空港では、ARフォトスポットやARスタンプラリーが楽しめるクリスマスARイベントが開催されました。ARスタンプラリーはサンタクロースの服を探し出すストーリー仕立ての企画になっており、館内のポスターに専用のアプリをかざすとスタンプとして、サンタクロースの服を集めることができます。そしてすべて集めると、ARフォトフレームやクーポンがプレゼントされる企画となっており、楽しいだけでなく、イベント後の消費行動にもつなげられる施策となっていました。
ご紹介した事例は弊社のARサービスで実現可能です。
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