ARを企画展の演出に活用。「映画『呪怨』の伽椰子と俊雄が本当にここにいる」と大反響|前橋文学館×株式会社五光様

ARを企画展の演出に活用。「映画『呪怨』の伽椰子と俊雄が本当にここにいる」と大反響|前橋文学館×株式会社五光様

「近代詩のふるさと」前橋市にある文学館 萩原朔太郎など多くの詩人の資料を展示

前橋文学館×株式会社五光様

前橋文学館 高坂様(以下、高坂様):前橋市は口語自由詩を確立した萩原朔太郎など多くの近代詩人の出身地のため「近代詩のふるさと」と呼ばれています。前橋文学館は前橋市出身の詩人たちの資料を豊富に展示しており、年間5~6万人の方が訪れる文学館です。常設展に加え、様々な企画展も開催しており、そのなかでARの制作をお願いしている五光さんと協力して来館者の方により楽しんでもらえるAR企画を考えています。

萩原朔太郎記念・水と緑と詩のまち前橋文学館

株式会社五光

動画や3Dを出せる点にARの魅力を感じた。

ARサービスを検討することになったきっかけを教えてください。

高坂様:1年ほど前、別件で五光さんと打ち合わせした際に、佐野市のゆるキャラ「さのまる」がARを取り入れた企画を実施していると伺いました。話を聞いているうちに、文学館でも使えるのではないかなと感じたことがきっかけです。最初はARは2次元的なものしかできないと思っていたのですが、動画や3Dも表示させることができると分かり色々なことに活用できると思い、検討するに至りました。

「COCOAR」をお選びいただいた理由は何でしょうか。

五光 田村様(以下、田村様):スターティアラボ(現:クラウドサーカス)の営業の方に話を聞いたり、展示会のブースで、実際にCOCOARの使い方やできることを見て、当社で活用できそうだと感じたからです。
高坂様:費用もとてもリーズナブルだったので、導入のハードルが低かったというのもありますね。

企画展のパンフレットやARスタンプラリーで以前からCOCOARを活用

壁にスマホをかざすと誰もいないはずの椅子に…
壁にスマホをかざすと誰もいないはずの
椅子に…

お札にスマホをかざすと…
お札にスマホをかざすと…

COCOARをどのようにご活用いただいたのでしょうか。

高坂様:今までパンフレットにARを仕込んで企画展を盛り上げる演出や文学館をめぐるARスタンプラリーにたびたびCOCOARを活用してきました。現在は企画展「怖いを愛するー映画監督・清水崇の世界展」を盛り上げるために活用しています。

企画展「怖いを愛するー映画監督・清水崇の世界展」
https://www.maebashibungakukan.jp/kikaku/3468.html

高坂様:前橋市出身で、映画「呪怨」などホラーをメインジャンルに幅広い作品を世に送り出している世界的映画監督・清水崇の作品世界を存分に味わっていただける企画展となっています。壁、階段という文学館の風景とお札をARマーカとして、作品に登場する怨霊の伽椰子と俊雄が本当に文学館に現れるような演出をCOCOARで実現しました。

「怨霊の伽椰子と俊雄が本当にここにいる」と反響を呼んだ演出を実現したAR制作秘話

壁順路に沿って適宜AR体験方法を案内
順路に沿って適宜AR体験方法を案内

階段では伽椰子が忍び寄る
階段では伽椰子が忍び寄るホラー調の
ものから手を振っているコミカルな
ものまで7種類のARコンテンツが
ランダムで再生される。

今回のAR企画について事前に配慮した点や工夫した点などはありますか?

●AR体験の案内について
高坂様:何度かAR企画を実施しているのですが、最初の頃はどこにARマーカーか仕込んでるのか分からないユーザーが多くいらっしゃったため、パネルで案内を出したりとアナウンスをしっかりするようにしました。今回の展示も順路の一番最初の壁にアプリダウンロードの案内を出すようにしています。そのおかげもあって、沢山の方にARを楽しんでいただけています。

●AR企画について
高坂様:清水監督の「怖さと笑いは紙一重」という考えを体現するように、怖いだけでなく、笑って楽しんでもらえるようなコンテンツを登録しました。COCOARのランダム再生機能により怖いものから、笑えるものまで1つのマーカーから複数のコンテンツを楽しんでもらえるようにできました。

●ARコンテンツについて
田村様:実際にユーザーがスマートフォンで見た際、「本当にここに(怨霊が)いるんじゃないか?」と思ってもらえるように、ARコンテンツは階段の上や椅子の上など、特定の場所に表示されるように設定しました。伽椰子と俊雄の写真は表示されるように設定した場所でキャストにポージングしてもらい、スマートフォンを使って撮影することで、その場の明るさや画質を追及してリアリティーを出しました。
高坂様:実はARコンテンツとして出てくる怨霊の伽椰子と俊雄は職員とその家族なんです。自分たちで血糊や白塗りメイクして本物のように演出しています。(笑)

●ARマーカーについて
五光 萩原様:文学館の実際の階段や壁いっぱいのパネルなど風景をマーカーにしたので、その日の天気や照明の明るさを考慮して、企画展開始の前日まで調整に調整を重ねてマーカーを作成しました。

AR×映像×ホラーで来館者から大反響。伽椰子と俊雄と撮った写真がSNSに多数投稿された。

お客様の反響はいかがでしたか?

高坂様:今までで一番反響がありました!ホラー映画を扱った企画展なので、ターゲットは映像が好きな人、ホラーが好きな人なので、ARとの相性が良かったと感じています。見えない、いないはずのものが出てくるというARの性質と幽霊の性質が合っているんじゃないかなって。特に、他の企画展に比べSNSに上げてくれる反応は多かったです。実際に伽椰子と同じポーズをして写真をとったり、自分の膝に俊雄を載せて写真をとったり…皆さん色々なお写真をとって楽しんでくださっています。

今後の展望があれば教えてください。

高坂様:今度、目の不自由な方にも展示を楽しんでもらえるようにパンフレットにARで展示の解説をつける予定です。また、こちらはまだ決まっていませんが、今までは企画展のみで使用していたARを常設展でも使ってみたいと思っています。
前橋文学館 橋本様:壁を使った展示や常設展が多いので、壁にマーカーを仕込んで楽しんでもらえるような演出がARでできればと思います。また、Wi-Fi環境がないので、COCOARを入れたスマホを貸出できれば、もっともたくさんの方に楽しんでもらえるのかなとも考えています。

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